関西100名山 大普賢岳
2012年9月13日 奈良県にあり、大峰山脈北部の大普賢岳(だいふげんだけ)に登りました。そこから南東に、小普賢、日本ガ岳と鋭いピークが続く尾根は笙ノ窟尾根と言われる。「笙ノ窟」は、修験道では重要な行場の一つだ。和佐又ヒュッテに宿泊し、笙ノ窟尾根を登り、大普賢岳へ。大峰奥駈道を七曜岳へ。下山は、無双洞を経由して和佐又ヒュッテに戻るという三角形のタフなコースだった。
 関西100名山。 1780m。
七曜岳(しちようだけ)山頂から、大普賢と笙ノ窟尾根を遠望する。 12:33

 
和佐又ヒュッテから出発。少し登ると、これから歩く「笙ノ窟(しょうのいわや)」で、平安時代からの名僧が詠んだと伝えられる碑がある。これを見てから出発。和佐又山との分岐を右折し、大普賢岳に向かう。ブナ、ヒメシャラの大木の間を登っていく。清々しい。登りも、だんだんと急になり、大きい岩が現れると、その下が 指弾ノ窟(したんのいわや)。それを過ぎて登っていくと・・朝日窟が現れる。
大普賢岳:地図 和佐又ヒュッテ横の登山口から、出発。 6:41
大普賢岳・和佐又山登山口にある碑 6:50 大普賢岳・和佐又山分岐。ここから、
右の大普賢岳に向かう。 7:09 
右は「巨木ふれあいルート」だそうな。
7:16
木の階段を登っていく。
ヒメシャラの大木が見える。 7:20
ブナ・ヒメシャラ・リョウブ・・
樹の根っこ道を登っていく。 7:33
道横の大岩の上に、大木の根が・・!
7:47
大岩の下にある、「指弾(シタン)の窟」。
いよいよ行場に入る。 7:51
石段の先は、鉄梯子。 7:53
岩を削って、登山道がつけられている。 7:54 「朝日の窟」に到着だ! 7:59


朝日窟を過ぎ、道は岩が多くなってくる。目の前一杯に大岩壁が現れる。 ここが、日本ガ岳の絶壁の裾にある「笙ノ窟」で、役行者冬籠りの古跡と言われ、修験道では重要な行場の一つである。少し下って鷲ノ窟あたりで上を見上げると、その大きさに圧倒される。鎖がある岩道を登っていくと一面ササ。登りつめると、日本ガ岳のコルに出る。
振り返って、「朝日の窟」を横から見る。 8:01 鎖で保護された岩の道を登っていく。 8:02
おぉ〜、見上げると、すべて岩! 8:03 「笙の窟」に到着。 
右端に、岩清水を受ける水場。 8:05
「笙の窟」から大普賢岳に出発。一旦下る。 8:08 そそり立つ岩の下をくぐっていく。 8:15 
「鷲の窟」。 8:17
岩石の多い坂を登っていく。
 鎖が設置されているので安心。 8:22  
鷲ノ窟。 
真上を見上げると・・こんなに迫ってくる! 8:16
ササ原を登っていく。 8:27 日本岳と小普賢岳の谷間に到着し、
小普賢岳への尾根道を進んでいく。 8:32 

 
日本ガ岳西側の鞍部から、ササの多い尾根道を進む。狭い尾根の鉄梯子を2つ登ると、“石の鼻”と呼ばれる岩がある。遮るもののなく、南から北東にかけては、釈迦ヶ岳・八経ヶ岳・弥山、東は大台ケ原などの山々を一望に眺める。眺望を楽しんだあと、さらに急坂が続く。小普賢の(山頂への分岐)下から一旦下り、いよいよ大普賢岳への急登が始まる。白く枯れたシラベと対照的に、緑色で光り輝くササの間を登っていく。大峰奥駈道と合流して左に登りつめれば・・大普賢岳・山頂だ。
ササの多い尾根道を、小普賢岳へ
進んでいく。 8:35
階段状を登ると・・・梯子。 8:37
《山の花 ヒメハギ》 8:38 またもや鉄ハシゴを越えて、
階段状の道を登っていく。 8:41
石の横を通り抜ける。 8:43 「石の鼻」に到着。登ると・・
山々をぐるりと見渡せて、絶景! 8:44 
遠方に、大峰山脈最高峰の八経ヶ岳が見える! “石の鼻”にて。 8:45
根が石を巻いている大杉の横を、
はしごで登る。 8:53
小普賢岳の下分岐に到着。 9:01
小普賢岳の下分岐から、
一旦下っていく。 9:04
いよいよ最後の登りだ。 
まずは、ハシゴ。 9:10 
鉄の階段の横に、紅葉したノリウツギ。 9:16 振り返ると・・小普賢岳、日本岳が、
もっこり・もっこりと見える。 9:31 
白く枯れたシラベ。 一面にササの緑。
 急坂を登っていく。 9:39
もっこりとしたササの緑の中、
木段を登っていく。 9:42
やった〜。 
大峰奥駈道(おくがけ)と合流。 9:49
大普賢岳・山頂に向かって、
奥駈道を登っていく。 9:52 
 

おぉ、あそこが大普賢岳・山頂だぁ!
 9:56



 
三等三角点のある山頂。眺望は良く、山上ヶ岳、稲村ヶ岳はじめ、大峰主稜線
の山々が一望できた! しばし休憩して、山の空気を楽しむ。
三等三角点 (大普賢岳山頂) 9:56 記念撮影 (大普賢岳・山頂) 9:58
大普賢岳・山頂風景。 10:02
《高山の花 オトギリソウ》 10:11 大普賢岳・山頂で小休憩の後、
奥駈道を七曜岳方面へ進む 10:12
大普賢岳・山頂から稲村ケ岳を、右方に山上ケ岳へと続く山並みを眺める。 10:12


山頂から急坂を下り、平坦なササ原になった水太覗に立つ。絶壁を眺め、そそりたつ大普賢岳を振り返る。大峰奥駈道を、ひたすら七曜岳に向かって進む。ササの生い茂る道のまわりには、シロヤシオやシャクナゲの木が群生する。春には、一面の白い花、シャクナゲのピンクの花が咲き誇るのであろう。弥勒岳を越えると、薩摩転げのクサリ場だ。
細い道を下る。周りには、くねくねと
曲がったシロヤシオの木が多い。 10:16
ササの中を進む。
左は、切れ落ちた崖。 10:21
 大普賢岳・山頂を下り、弥勒岳方面に向かう。一面の笹がきらきら。 10:26
めずらしい! 《高山の花 フギレエゾフウロ》
(ハクサンフウロが母種) 10:27
水太覗 (みずぶとのぞき)・・
行場である。 10:29
水太覗(みずぶとののぞき)付近から、大普賢を振り返る。右へ続く笙ノ窟尾根が迫力!10:30
弥勒岳に向かって、奥駈道の歩を進める。
周りはシャクナゲの群落。 10:34
弥勒岳。 10:44
崩れかけた山腹の道を
進んでいく。 10:49
ササの中の尾根道を進んでいく。
両側はシャクナゲの木。 11:01 
ここが岩場。
“薩摩ころげ” 11:19
横伝いの鎖を持って、進んでいく。
(“薩摩転げ”付近) 11:27 
 
“薩摩転げ”付近の岩場で、大普賢と笙ノ窟尾根を眺める。 11:19


薩摩転げのクサリ場を下り・・、横に渡り・・、進むと、苔むした岩が多くなり開けた場所に出る。稚児泊・・ここも行場。幽玄な苔で覆われた場所を進む。二重山稜の中央の窪地が七ッ池。尾根の起伏に沿い、鎖を登りきった所が七曜岳(1584m)山頂。景色を楽しみ昼食休憩。
奥駈道の歴史を感じさせるような、
岩を抱えた大木。 11:28
苔むした岩道を歩く。 11:30
奥駈道(おくがけ)、第60番行所 “稚児泊”
。苔むした岩に、数珠が置かれていた。 11:31
ササの中、まっすぐに付けられた
奥駈道(おくがけ)を進む。 11:36
あたり一面苔むした・・幽玄の世界。 “七ッ池”手前。 11:46
“七ツ池”付近を歩いていく。 11:48 ここが“七ツ池”(鬼の釜) 11:49 
岩の横に、木道が作られている。 12:06 鎖を、えいやっと登ると・・・七曜岳。 12:09
七曜岳・山頂から、登ってきた大普賢岳と笙の
窟尾根を眺める。 12:33
七曜岳・山頂の風景。 12:34 



七曜岳を出発。大峰奥駈道を少し進むと、和佐又への分岐標識。ここを左折し、長い下りに入る。ヒメシャラや広葉樹が広間隔に生えている中、尾根伝いに急坂を下りていく。滝音が聞こえる。無双洞に到着。岩窟から地下水があふれ出ている。無双洞で少し休憩、左の和佐又方面に。石灰石の白い岩の間を進み、最後のクサリ場を登りきると、山腹の道。この何でもない道での滑落事故が多いとのことで気を引き締めて歩いていく。やっと和佐又山コルに戻り・・ヒュッテに到着!
昼食後、七曜岳・山頂から、下山。
12:36
この標識。
奥駈道から和佐又方面へ分岐する。 12:39
木の根が入り組んだ、急斜面を下る。
12:48
どんどん下っていくと行き止まり。
左のハシゴを下りていく。 12:57
同じような風景。
このような標識やテープが頼り。 13:22
石を落とさぬよう、
注意して下りていく。 13:51
無双洞に到着。
洞窟からの水で喉を潤す。 14:00
無双洞を過ぎ、水簾の滝を
眺める。 14:10
白い石が転げ落ちているところを
歩いていく。 14:17
今度は、標識に従って沢を登り、
岩に取り付く。 14:54
鎖を頼りに、岩をよじ登る。
上から見た風景。 15:00
岩をやっと登り終え、山腹を
歩いていく。 15:07
“滑落注意”。
このなんでもなさそうな山腹歩きが、
滑落起きるのだそうな。 15:10
  
目の前にブナの大木。 
周りはブナ・リョーブ・ヒメシャラなどの樹林。 
15:22
広葉樹林の中の、山腹の道を、
どんどん進んでいく。 15:36 
和佐又ヒュッテに到〜着! 16:24

 
 大普賢岳に登る前日、ヒュッテの前にある和佐又山(1344m)に登った。ちょうど良いハイキングコースだ。ヒュッテの前は、キャンプ場。平日なのに2張りのテントがあった。 ここのトチノキの大木は有名。
和佐又山山頂 13:20
和佐又山・山頂から、大普賢岳へと続く笙ノ窟尾根を遠望。 13:39

和佐又ヒュッテ広場にある、トチの大木。
地面にはトチの実が落ちている。 6:31
和佐又ヒュッテ。 12:36
  和佐又ヒュッテ広場。まだ、
キャンプ場にはテントが。 6:40